
近畿各府県の最低賃金改定額
2017年8月10日 木曜日
明日11日からは、お盆も含めてしばらく夏季休暇という方も多いのではないでしょうか。
連日の猛暑の中酷使してきた体と頭を、このあたりで少し休ませてあげたいものです。
さて、今回は前回のブログでも取り上げておりました最低賃金の改定について。
近畿各府県の最低賃金額が出ましたのでお知らせ致します。
ここから異議申出の受付、異議があった場合は異議の申出に係る答申を経て正式に決定されますが、例年ここで変更があることはあまり無いようです。
京都府では平成14年度以降最も高い引き上げ額となり、25円引き上げの856円に改定されます。
政府は今後最低賃金額を1000円まで引き上げることを目標としていますが、そこにまた1歩近づいてきました。
近畿各府県で答申されている金額と発効予定日は以下の通りです。
京都府:856円 (10月1日発効予定)
奈良県:786円 (10月1日発効予定)
兵庫県:844円 (10月1日発効予定)
大阪府:909円 (9月30日発効予定)
滋賀県:813円 (発効日未定)
最低賃金は、産業や職種にかかわりなく、都道府県内の事業場で働くすべての労働者とその使用者に対して適用されます。(派遣労働者に対しては、派遣先の地域の最低賃金が適用されます。)
各地域の最低賃金を下回っていないかどうか、従業員の皆様の賃金を今一度ご確認いただければと思います。
ご確認の際には、以下の点についてもご注意ください。
●最低賃金の対象となる賃金は、毎月支払われる基本的な賃金です。
実際に支払われる賃金から割増賃金、精皆勤手当、通勤手当、家族手当などを除いたものが対象となります。毎月の賃金からこれらを引いた後に、最低賃金額を下回っていないかご確認ください。
●月給や日給で支払われている方については、基本給(上記の各手当等を引いた金額)を時間給に換算して、最低賃金を下回っていないか確認していただくことになります。
※時間給の出し方
【月給の場合:月給÷1ヶ月の所定労働時間】
【日給の場合:日給÷1日の所定労働時間】
最低賃金法は強行法規ですので、こちらを守っていないと罰則が科せられることもございます。
事業所の給与担当者の方でも、最低賃金が改定されたことを知らないまま、または賃金額が最低賃金額を下回っていることに気が付かないまま、違法な状態を続けてしまうこともあるようです。
また、他府県に支店があるような事業所の場合は、本店所在地の金額だけではなく、支店がある地域の最低賃金にも注意が必要です。
例えば京都に本店があり、大阪に支店がある場合で、もともと時間給を900円に設定してあるので、京都の最低賃金額が856円になってもまだ大丈夫だと油断していると、大阪の支店について最低賃金909円を割ってしまっていた、というようなケースも考えられます。
こうした例に限らず、最低賃金に近いラインで給与を設定されておられる場合は、改定時には特にご注意ください。
この機会に給与の内容を改めてご確認いただき、各地域の発効日までにご準備いただければと思います。
何かご心配な点などありましたら、当法人にもお気軽にお問い合わせください。
以下の各府県労働局のページもご覧ください。
平成29年度の京都府最低賃金は、2年連続の大幅引き上げで、時間額856円に
奈良県最低賃金の改正決定にかかる答申について
大阪府最低賃金26円引き上げ 時間額909円に
滋賀地方最低賃金審議会の意見に関する公示
兵庫県最低賃金時間額の25円引上げを答申 -時間額844円に-
↓以下のリンクもご参考になさって下さい。
最低賃金の対象となる賃金
最低賃金
2017年7月27日 木曜日
すでに新聞やニュースでご覧になった方もいらっしゃるかもしれませんが、
今年度の最低賃金引き上げの目安が発表されました。
今年度は全国平均で25円の引き上げ、時給848円と厚生労働省の審議会にて決定されました。25円の引き上げは最低賃金が時給で示されるようになった平成14年度以降最大の上げ幅となります。
今後、今回発表された目安をもとに都道府県ごとの最低賃金が決められ、10月頃より値上げ後の最低賃金が適用されます。
最低賃金は時給で示されていますが、決して時給制の労働者だけが対象になる訳ではありません。
月給制の場合も月額を月の所定労働時間で割った場合に、最低賃金を下回っていないか確認する必要があります。
最低賃金に満たない給与を支給していた場合、罰則が科せられる場合もあります。
まだ今年度の引き上げ後の地域別最低賃金額は発表されていませんが、この機会に給与の内容を確認されてみてはいかがでしょうか。
また、今年度の最低賃金額が決定されましたら各都道府県の労働局のホームページ等でもご確認いただけますので、ぜひご覧ください。
夏の繁忙期を終えて
2017年7月14日 金曜日
うだるような暑さが続いていますが、梅雨明けはまだ先のようですね。
京都は祇園祭ムードが高まっていて、あちらこちらから御囃子が聞こえます。
さて、7/10(月)は、労働保険の年度更新と月額算定基礎届の提出期限でした。
2大イベントの1つが終わったことになります。(もう1つは年末調整ですね)
ご担当の皆様、大変お疲れ様でした。
当法人も多くの事業所様の届出をさせていただくため、所内で何度も進捗を確認し合いながら進めていきましたが、本当にバタバタとした繁忙期でした。
実は今年、算定基礎届のリーダー(この呼び名を口にするのも憚られますが)を務めさせていただきました。
進捗管理表で資料の揃い具合を見ながら、業務の進捗状況を確認していくという役目です。算定3年目ですので、過去2回の経験をいかして頑張ろう!と意気込んで挑みましたが、結果、先輩方のアドバイスに終始助けられて終わりました。
不甲斐ない結果のようですが、でもこの業務はやはり、チームワークがものを言うなと実感したのが正直な感想です。日々は背中合わせに仕事をしていますが、この時期は、同じ画面を見て話す時間も少し多かったような・・・。
来年、別の誰かがリーダーを担当した時に、今年私が助けてもらったことを、そっくりそのまま行動に移せるようになりたいと思います。
ひとまず、明日からの3連休でリフレッシュしたいです!
祇園祭に繰り出す方もいらっしゃるかもしれませんね、熱中症にはどうぞご注意ください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
アルバイトの労働条件確認キャンペーンが実施中です
2017年6月23日 金曜日
6月も後半に入り、雨の日が増えるとともに本格的な夏の気配も近づいてまいりました。
暑かったり雨だったりの快適とは言い難い季節ではありますが、学生の方であれば、これから試験を経ての楽しい夏休みの計画を考え始める頃でもあるかもしれませんね。
さて、この時期、厚生労働省による「アルバイトの労働条件を確かめよう!」キャンペーンが全国で実施されています。(4月1日から7月31日まで)
違法な罰金制度を学生アルバイトに課していた等の事件が社会的に問題視されたことを受けて、多くの学生がアルバイトを始める今の時期、労働基準法の決まりをリーフレットやポスターで分かりやすく広報するとともに、都道府県労働局及び労働基準監督署に設置されている総合労働相談コーナーに「若者相談コーナー」を設置し、学生からの相談に重点的に対応するなどの取り組みを行っています。
重点事項として広報されているのは以下の点です。
① 労働契約締結の際の学生アルバイトに対する労働条件の明示
・・・アルバイトを雇う時も、雇用契約書などにより、勤務時間や休日休憩、給与、昇給などの労働条件の明示が必要です。
② 学業とアルバイトが両立できるような勤務時間のシフトの適切な設定
・・・事業所は学生アルバイトに対して、学業とアルバイトを適切な形で両立できる環境を整えるよう配慮する必要があります。学校の試験期間中などに、業務の都合で過度にシフトを入れることなどがあってはいけません。
③ 学生アルバイトの労働時間の適正な把握
・・・アルバイトについても、労働日ごとの始業、終業時刻を確認し、適正に記録する必要があります。また、残業手当の支払いも必要です。
④ 学生アルバイトへの商品の強制的な購入の抑止とその代金の賃金からの控除の禁止
・・・アルバイトが希望していないのに商品を強制的に購入させることはできません。
アルバイト本人が希望して商品を購入した場合でも、労使協定無しに賃金から一方的に商品代金を差し引くことはできません。
⑤ 学生アルバイトの労働契約の不履行等に対して、あらかじめ罰金額を定めることや
労働基準法に違反する減給制裁の禁止
・・・遅刻や欠勤などの労働契約の不履行や不法行為に対して、あらかじめ損害賠償額を定めることはできません。就業規則に基づいて賃金の一部を減額する場合であっても、 無制限に減給することはできません。(1回の減給額は平均賃金の1日分の半額以下。複数回にわたって規律違反をしたとしても、減給の総額が一賃金支払期における金額の10分の1以下。)
現代はSNSの発達もあり、違法な労務管理の実態が瞬く間に拡散されてしまうということも起こりえます。
その結果当該の企業によっては求人が難しくなる、企業のイメージ低下につながるといった問題が生じることも考えられます。
そのようなリスクの回避のためにも、アルバイトに限らず今一度現在の労務管理の在り方をご確認いただき、雇用の際の注意点を整理していただければと思います。
何か気になられることがありましたら、どうぞ当法人にもお気軽にお問い合わせください。
以下のリーフレットもご覧ください。
「アルバイトの労働条件を確かめよう!」キャンペーン中です!!
「学生アルバイトの労働条件に関する自主点検表」も公開されていますのでご参考になさって下さい。
学生アルバイトの労働条件に関する自主点検表
算定基礎届
2017年6月6日 火曜日
九州は早くも梅雨入りとなったそうです。
京都はここ数日過ごしやすい日が続いているのですが、関西の梅雨入りも近いですね。
一方で、夏に向かって気温も上がりますので熱中症などにお気をつけ下さい。
そして、6月は厚生労働省管轄の手続きや報告が集中する季節でもあります。
社会保険の『算定基礎届』、労働保険の『年度更新』、
派遣元事業主を対象とする『労働者派遣事業報告』、
従業員50人以上の事業所が対象となる『障害者雇用状況報告』、
『障害者雇用状況報告』と同じくハローワークへ届出る『高齢者雇用報告』、、、
どれも提出期間が短くなっておりますので、対象の事業所様はくれぐれもご注意ください。
さて今回は題名の通り、社会保険の『算定基礎届』についてお伝え致します。
『算定基礎届』は4月から6月に被保険者に対して支給された報酬を日本年金機構等に届け出るものです。
届出た金額は、その年の9月から翌年8月までの標準報酬月額を決める「定時決定」に用いられ、この標準報酬月額によって9月からの社会保険料に反映される事となります。
【対象者】
「定時決定」の対象者は「7月1日現に使用されている被保険者」です。
ただし、下記に該当する方は対象外となります。
①6月1日から7月1日までに被保険者の資格を取得した方
②7月から9月までのいずれかの月から標準報酬月額を改定※され又は改定される予定の方(※随時改定、育児休業等終了時改定、産前産後休業終了時改定)
②についてはご注意頂きたい点がございます。
それは「定時決定」の対象ではないが、「算定基礎届」の提出は必要であるという点です。
②に該当する方の場合は、算定基礎届をご提出頂いた上で、随時改定等のお手続きも行って頂く必要がございます。
【定時決定の対象となる報酬】
「定時決定」は4月から6月に支給された報酬が対象となりますが、
その内、報酬支払の基礎となった日数が17日以上の月のみ対象となります。
一般被保険者の方は17日未満の月については対象となりませんのでご注意下さい。
ただし、短時間労働者の方は17日ではなく11日とされておりますので、こちらも注意が必要です。
【算定基礎届の提出期限】
算定基礎届の提出期限は7月10日となっております。
6月支給給与の確定後となりますので、時間的余裕のない事業所様が多いのではないかと思います。
冒頭にて記しておりました通り、他のお手続きや報告もございますのでご注意下さい。
当法人も多忙な時期にさしかかっておりますが、全てのお手続きを無事に終えられるよう一致団結して業務に取り組んでおります。
私自身も初めての業務が続きますが、気を引き締めて一つ一つの業務に取り掛かかりたいと思います。
今回も最後までお読みいただき誠にありがとうございました。