厚生年金保険料率が変わります
2017年8月30日 水曜日
残暑厳しい毎日ですが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
先週日曜日は、社労士試験日でした。
私は今年 試験から一旦離れたスタッフですが、社内には受験者がいたので、
普段から頑張っていた姿に触発され、来年また挑戦しようと密かに決意しました。
さて、9月は厚生年金保険料率の改定月です。
9月分から、厚生年金保険料が変わります。
同月徴収の事業所は、9月の給与で控除する保険料から、
翌月徴収の事業所は、10月の給与で控除する保険料から、
新しい保険料率が適用されます。
また、9月は算定基礎届で定時決定した等級に変わる月でもあります。
ただし、7月・8月・9月に月額変更した場合は、さらに注意が必要です。
7月・8月・9月に変更した等級は、定時決定の等級より優先するからです。
ですので、7月・8月に変更した等級を、定時決定の通知書に書いてある等級に変えてはいけません。
給与担当者は注意点が多いですが、どうぞお気を付けください。
ところで。
この保険料率、一体いつまで上がり続けるの?とお思いの方いらっしゃいますか。
厚生年金保険料率は、平成16年厚生年金保険法の改正により、毎年段階的に改定されることになりました。その改定は、実はこの平成29年9月の【18.300%】が最後なのです。
今後はこの料率で固定化されます。
また、平成27年に被用者年金制度が一元化したことにより、公務員共済・私学共済の保険料率も将来的に厚生年金保険と同率となります。(公務員共済は平成30年、私学共済は平成39年)
ご不明な点がございましたら、お気軽に当法人へお問合せください。
平成29年度保険料額表(全国健康保険協会)
※各都道府県ごとの健康保険料もご覧いただけます。
算定基礎届
2017年6月6日 火曜日
九州は早くも梅雨入りとなったそうです。
京都はここ数日過ごしやすい日が続いているのですが、関西の梅雨入りも近いですね。
一方で、夏に向かって気温も上がりますので熱中症などにお気をつけ下さい。
そして、6月は厚生労働省管轄の手続きや報告が集中する季節でもあります。
社会保険の『算定基礎届』、労働保険の『年度更新』、
派遣元事業主を対象とする『労働者派遣事業報告』、
従業員50人以上の事業所が対象となる『障害者雇用状況報告』、
『障害者雇用状況報告』と同じくハローワークへ届出る『高齢者雇用報告』、、、
どれも提出期間が短くなっておりますので、対象の事業所様はくれぐれもご注意ください。
さて今回は題名の通り、社会保険の『算定基礎届』についてお伝え致します。
『算定基礎届』は4月から6月に被保険者に対して支給された報酬を日本年金機構等に届け出るものです。
届出た金額は、その年の9月から翌年8月までの標準報酬月額を決める「定時決定」に用いられ、この標準報酬月額によって9月からの社会保険料に反映される事となります。
【対象者】
「定時決定」の対象者は「7月1日現に使用されている被保険者」です。
ただし、下記に該当する方は対象外となります。
①6月1日から7月1日までに被保険者の資格を取得した方
②7月から9月までのいずれかの月から標準報酬月額を改定※され又は改定される予定の方(※随時改定、育児休業等終了時改定、産前産後休業終了時改定)
②についてはご注意頂きたい点がございます。
それは「定時決定」の対象ではないが、「算定基礎届」の提出は必要であるという点です。
②に該当する方の場合は、算定基礎届をご提出頂いた上で、随時改定等のお手続きも行って頂く必要がございます。
【定時決定の対象となる報酬】
「定時決定」は4月から6月に支給された報酬が対象となりますが、
その内、報酬支払の基礎となった日数が17日以上の月のみ対象となります。
一般被保険者の方は17日未満の月については対象となりませんのでご注意下さい。
ただし、短時間労働者の方は17日ではなく11日とされておりますので、こちらも注意が必要です。
【算定基礎届の提出期限】
算定基礎届の提出期限は7月10日となっております。
6月支給給与の確定後となりますので、時間的余裕のない事業所様が多いのではないかと思います。
冒頭にて記しておりました通り、他のお手続きや報告もございますのでご注意下さい。
当法人も多忙な時期にさしかかっておりますが、全てのお手続きを無事に終えられるよう一致団結して業務に取り組んでおります。
私自身も初めての業務が続きますが、気を引き締めて一つ一つの業務に取り掛かかりたいと思います。
今回も最後までお読みいただき誠にありがとうございました。
社会保険の適用拡大
2017年3月3日 金曜日
今年も早いもので、もう3月ですね。
春が近づいて暖かくなってきましたが、木の芽時は寒暖差が大きく、体調の変化が起きやすい時期でもあります。
今回はそんな季節に利用するかもしれない社会保険の、昨年秋からの適用拡大についてお話しさせていただきます。
社会保険には健康保険と厚生年金保険があり、社会保険が適用される事業所のことを「適用事業所」と呼びます。
適用事業所で働いている労働者であっても、すべての人が被保険者となるわけではありません。
平成28年9月末までは、労働時間が週30時間以上の人が加入の対象でした。
それが2016年10月1日より適用が拡大され、「従業員が501人以上の事業所で週20時間以上働く人」までが加入の対象となりました。
加入の要件は以下の5つとなり、これらすべてを満たす場合には被保険者となります。
1.週の所定労働時間が20時間以上
2.賃金の月額が88,000円以上
3.雇用期間1年以上見込み
4.学生でないこと
5.従業員501人以上の企業に勤めていること
なお、平成29年4月1日からは、以下の①、②に該当する、従業員が常時500人以下の事業所で働く短時間労働者(上記1~4を満たす)にも適用範囲が拡大されます。
① 労使合意に基づき申出をする、法人・個人の事業所
② 地方公共団体に属する事業所
社会保険に入る際の労使手続きには、勤め先において既に社会保険の被保険者となっている方と、適用拡大により新たに被保険者となり得る短時間労働者の方などを対象とし、その2分の1以上の同意が必要です。
春先にかけては、新規採用など社会保険加入の手続きも増える時期ですので、加入要件などいま一度ご確認いただければと思います。
厚生労働省や全国健康保険協会(協会けんぽ)のこちらのページもご参考になさって下さい。↓
厚生労働省:平成28年10月から厚生年金保険・健康保険の加入対象が広がっています!(社会保険の適用拡大)
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/2810tekiyoukakudai/
最後までお読みいただきましてありがとうございました。
同月内に入社、退社した従業員の社会保険料の控除について
2017年2月3日 金曜日
ひかり社会保険労務士法人のブログをご覧いただきましてありがとうございます。
まだまだ寒い日が続いておりますが、今後春にかけては従業員の入退社が増えていく時期でもありますね。
様々な事情で、入社したもののすぐに辞めてしまう方もおられると思います。
中には、入社したその月に退社してしまったという場合もあるかもしれません。
そういった時に、お給料からの社会保険料の控除をどうしたら良いか?というお問い合わせをいただくことがございます。
結論から申しますと、同月内に資格の取得と喪失があった場合の社会保険料の控除については以下のようになります。
・厚生年金保険料 → お給料から控除しない場合もある
・健康保険料 → お給料から控除する
・介護保険料 → お給料から控除する
厚生年金保険料を「控除しない場合もある」としているのは、あとで控除した分が還ってくるケースがあるからです。還ってくるケースとは以下の二つです。
1. 同月得喪した月内に転職先の他社で社会保険に加入
2.同月得喪した月内に退職者本人が手続きして国民年金に加入
同じ月に社会保険の資格取得と喪失を行うことを同月得喪と呼びます。
平成27年10月1日より、同月内に退職者本人が国民年金加入の手続きをした場合にも厚生年金保険料の還付がされるようになりました。
社会保険の被保険者期間は月単位で計算されますので、同月得喪した退職者に関しては、期間が1カ月に満たなくてもひと月分の厚生年金保険料を納付します。
ただし、同月内に国民年金に、もしくは他社で厚生年金に加入した場合は、その月は国民年金の、新しい会社での被保険者となるので、元の会社で徴収された厚生年金保険料に関しては還付されるのです。
以前も、退職者が同月得喪した月内にさらに転職先の会社で社会保険に加入した場合には還付されていました。
ですが、自動的に年金事務所から通知があるわけではなく、申し出によって事実確認後に手続きをし還付されるという仕組みだったため、事業所は退職者が新しい厚生年金に加入したことを知ることなく、保険料は徴収されたままとなることも考えられました。
この場合でも、同月得喪月に関して年金受給額に反映されるのは、新しい事業所の分のみとなります。
そのため、平成27年10月以降は、厚生年金・国民年金共に、加入の手続きがなされた段階で年金事務所から元の事業所へ自動的に郵送にて通知されるようになりました。
ここで注意しなければならないのは、1,2ともに、手続きがなされていなければ還付はされないということです。
他社で社会保険に加入する場合は転職先の担当者が手続きをするでしょうが、国民年金に加入する場合、万が一退職した本人が手続きを行わなければ、同月得喪月の保険料は徴収されたままです。
他社での社会保険加入にしても本人での国民年金加入にしても、手続きがあって初めて年金事務所からその旨の通知が届き、その通知に従って申請を行うことにより、いったん徴収された保険料が還付されるのです。
なお、健康保険・介護保険については、年金のように将来受け取る額に影響するものではないため、このような規定はありませんので、お給料から控除することになります。
同月得喪でも厚生年金と健康保険で取り扱いが異なるなど複雑な面もありますが、以上がご参考になれば幸いです。
最後までお読みいただきましてありがとうございました。