改正!育児休業給付金
2017年1月24日 火曜日
こんにちは。新しい年が始まって、1月もあと1週間となりました。
給与担当者の方にとっては、市町村や税務署に発送する「給与支払報告書」と「源泉徴収票」
の準備で慌ただしい時期ですね。
さて、今回は雇用保険法の中から、「育児休業給付金」の主な改正点について、ご紹介させて
いただきます。
~平成29年1月1日施行~
■「育児休業給付金」の改正のポイント■
1.有期契約者の支給要件を緩和!
(改正前)
①育児休業の申出時点で1年以上継続して雇用されていること
②1歳以降も雇用継続の見込みがあること
③2歳までの間に更新されないことが明らかである者を除く
(改正後)
①育児休業の申出時点で1年以上継続して雇用されていること
②1歳6か月までの間に更新されないことが明らかである者を除く
パートや契約社員等の方も、「育児休業給付金」を受給しやすいよう、年齢要件が緩和されました。
2.「育児休業給付金」を毎月もらうことも可能!
従来どおり2か月に1度まとめて申請することも可能ですが、本人の希望により1か月に1度、
支給申請することもできるようになりました。
平成25年に厚生労働省が実施した、「有期契約労働者の育児休業制度等に関するアンケート調査」
によれば、有期契約の労働者が育児休業を取得できることについて、本人が知っていた割合は、
21.8%と約2割にとどまっています。
パートや契約社員等の期間に定めがある方も、所定の要件を満たす場合は、育児休業を取得することができます。
また、パートや契約社員等の方であっても、支給要件に該当すれば、育児休業給付金が支給されます。
「正社員ではないので、育児休業や育児休業給付金はもらえない。」と誤解されている方も多いのではないでしょうか。
育児休業給付金の支給要件や支給額等につきましては、下記の「育児休業給付の内容及び支給申請手続きについて」に、詳しく書かれていますので、ご覧ください。
※「育児休業給付金の内容及び支給申請手続きについて」(ハローワーク) https://www.hellowork.go.jp/dbps_data/_material_/localhost/doc/ikujikyugyou.pdf
※「育児休業や介護休業をすることができる有期契約労働者について」(厚生労働省)
http://www.mhlw.go.jp/bunya/koyoukintou/pamphlet/pdf/ikuji_h28_11_01.pdf
36協定とは、、、
2017年1月18日 水曜日
こんにちは。この度はひかり社会保険労務士法人のブログを御覧いただき誠にありがとうございます。
今回は、「36協定」について取り上げたいと思います。
時間外労働に関するニュースは昨年から頻繁に目にするようになり、長時間労働の是正を課題とされている事業所様も多いのではないでしょうか。そのニュースの中でも、この「36協定」は頻繁に登場します。
● 36協定とは ●
まず、大前提として従業員に時間外労働・休日労働を行わせる場合、「36協定」と呼ばれる労使協定を事業所ごとに締結する必要があります。これは使用者と当該事業所に「労働者の過半数で組織する労働組合があるときは、その労働組合、ないときは労働者の過半数を代表する者」との書面による協定です。
その内容は、
①時間外労働を必要とする具体的事由
②その業務の種類
③労働者の数
④1日及び1日を超える期間(1日を超え3か月までの期間及び1年)についての
延長することのできる時期
⑤労使協定の有効期限(労働協約による場合を除く)
について協定を結ぶ必要があります。
また、36協定は労働基準監督署に届け出ることによって効力が発生するため注意が必要です。
36協定で定める事ができる時間外労働の上限は「1か月 45時間」「1年 360時間」など定められていますが、特別条項付きの協定を結ぶと、その上限を超えた時間を定める事ができるため、抑止力としての機能を果たしていないのが現状です。
●「違法残業」●
36協定を締結し、届出を行っていた場合でも、労使協定で定める範囲を超えて時間外労働をさせた場合は「労働基準法32条違反」となります。
今月、神奈川労働局により三菱電機が書類送検されたケースがその事例にあたり、36協定で定める上限を超えて社員に時間外労働をさせた疑いがあるという事でした。
● 就業規則等における定め ●
使用者は労働者に時間外・休日労働をさせるにあたり、36協定の締結に加えて就業規則等に、時間外労働命令に従うことについて契約上の義務を定めておかなければなりません。
日立製作所武蔵工場事件の判例においては、
「36協定の締結・届出が行われ、就業規則に当該36協定の範囲内で一定の業務上の事由があれば、労働契約に定める労働時間を延長して労働者を労働させることができる旨を定めているときは、当該就業規則の規定が合理的なものである限り、それが具体的労働契約の内容となるから、当該就業規則の適用を受ける労働者は、その定めるところに従い、労働契約に定める労働時間を超えて労働義務を負う」とされています。
● 最後に ●
新聞やニュースでは毎日のように「長時間労働による労災認定」「違法残業による立件」について取り上げられています。
この機会に労務管理の課題・問題点や36協定の内容など一度見直されてみてはいかがでしょうか。
最後までお読み頂き誠にありがとうございました。
気持ち新たに。
2017年1月11日 水曜日
皆様、新年あけましておめでとうございます。
ひかり社会保険労務士法人のブログをご覧いただきまして、ありがとうございます。
長らく更新が滞っていましたが、このブログを見た方のお役に立ちますよう、気持ちを新たに、さまざまな情報を発信していきたいと思っております。
どうぞ宜しくお願いいたします。
さて、平成29年も労働を取り巻く法改正が盛り沢山ですが、今日はその中の1つをご案内させていただきます。
◆ 雇用保険法の適用拡大 ◆
平成29年1月1日より、65歳以上の労働者も条件を満たせば「高年齢被保険者」となることとなりました。
これまで被保険者じゃなかったのに被保険者になる・・・ということは、保険料の負担が増えてしまうの?と、心配される事業主と従業員の方もいらっしゃるかと思いますが、保険料の徴収は平成31年度まで免除されます。
注意しなければならないのは、雇入れのタイミングと年齢により、資格取得手続の有無や期限が異なることです。
まず、昨年末以前から雇用している被保険者は、65歳以上の方でも、新たな手続きは不要です。
ただし、昨年末までに雇入れた時点で65歳以上の方(=被保険者でなかった方)は、今回の改正で新たに被保険者となるので、手続きが必要です。
この手続きの期限が、平成29年3月31日とされています。
もちろん、今後65歳以上の従業員を雇入れる場合は、通常の資格取得と同様に、翌月10日までに手続きが必要となります。
この法改正により、65歳以上で離職した被保険者も高年齢求職者給付金の対象となります。
高年齢者を雇用している事業所は、年々増加傾向にあるといいます。
手続の漏れが無いよう、雇用状況を確認されてみてはいかがでしょうか。
雇用保険の適用拡大等について (厚生労働省HP)