就業規則変更による業務改善
定年制度について内容説明を受けたいとのご相談をいただきました。
現存している就業規則を確認すると、労働時間に問題のあることがわかりました。
この会社は隔週の週休2日制で、平日の所定労働時間が7.5時間、第2・第4土曜日の所定労働時間が5時間で、それ以外の土曜日と日曜・祝祭日は休日となっていました。
社長は1日8時間以内なので問題ない、と思っておられたようです。
しかし、労働基準法では1日の所定労働時間だけではなく、1週の所定労働時間にも40時間という上限を決めています。(常時10名未満の労働者を使用する商業・一定の映画演劇業・保健衛生業・接客娯楽業においては44時間まで可能)
この会社の場合、1日の所定労働時間はクリアしていますが、第1週と第3週については、週所定労働時間が42.5時間となり、法律違反となります。
そこで、その旨を社長にご説明した上で、1ヶ月単位の変形労働時間制導入をご提案しました。
これは、1ヶ月以内の期間を平均して週所定労働時間が40時間を超えない範囲で、特定の日・週において法定労働時間を超えて労働させることができる制度です。
この制度でいくと、週所定平均労働時間は40時間以内となり、法定内におさまります。
社長の了承を受け、労働時間の他、定年延長制度や未変更だった法改正部分も手直しの上、従業員の同意を得て、就業規則の変更届を労働基準監督署に届け出て、無事完了しました。
社長からは、おかげで労働時間等現状のままで法を遵守することができた、と喜びの声をいただくことができました。
また同時に労務問題の難しさをご理解いただき、労務顧問として今後ご契約いただくこととなりました。